中小企業経営者のホームページ、パソコン、インターネットの活用をご支援します。

− ホームページ活用の現場の苦労をご紹介 −

■コネ全盛の業界で、ホームページによる新規顧客の獲得は可能か?■
■■「とある零細税理士事務所の、ホームページ顧客獲得奮戦記」No.01  ■■
■■■    http://akibare.net/ms.htm     ■■■

〜 現状分析とホームページの方向性 〜

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 こんにちは。中小企業ITコンサルタントの吉本です。数あるメールマガジンの中から、本誌をご登録いただきありがとうございました。

 本誌は、税理士事務所という「コネと人間関係」の業界で、果たしてホームページで新規のお客さん開拓ができるか、と言う、実験プロジェクトの顛末記です。

 現在進行形のこのプロジェクトを、リアルタイムで毎週ご報告致します。うまく行くか、大失敗に終わるか、現段階では全く分かりません。でもどちらに転んでも、同じように苦労している経営者の皆さんのお役に立つと考え、あえてプロジェクト同時進行でメールマガジンを発行します。吉とでるか凶とでるか。プロジェクトの結果を乞うご期待です。

 それでは、零細税理士事務所のホームページ奮戦記の、始まり始まり〜。

●そもそもの始まり

 「ホームページはあるんですが、ずっと放ったらかしにしてるんですよ。問合せはちょくちょくあるんですけど、なかなかお客さんの獲得につながらなくて・・・。」

 この言葉が、下田税理士事務所のホームページ奮戦記の始まりでした。

 税理士の先生、と言うのは、たいてい皆さんいい年をされています。この下田税理士も例に漏れず、とうに中年を越えた50歳。パソコンは基本的に触りたくないという「シニア」の世代です。

下「私はこう見えてもパソコンを良く触る方でね。5人の税理士仲間で、メールを使えるのは私だけなんですよ。」
私「ほうほう。それは凄いですね。メールは毎日チェックしてるんですか。
(午前中に送ったメールの返事がないんだけど・・・(^_^;)」

下「毎朝チェックしますよ。でも朝に一回見たら、後は次の日まで見ないんですけどね。たまに、3日ほどパソコン空けない日もありますけど。それでも、仲間内では一目置かれているんですよね。」
私「・・・・・」

 この程度のレベルの下田税理士ですから、ホームページをどう使えば商売につながるか、全くイメージを持っていませんでした。

私「下田先生のホームページって、誰が管理しているんですか。」
下「私ですよ。私。いやね、知合いのホームページ業者に頼んで作ってもらったんですよ。若いのにやらせたいんですけどね、本当は。でもみんな忙しいから、新しい事をやってる暇がないと言われて、しょうがなしに私が手配して、ホームページを作ってもらったんですよ」
(おっ、こう見えて、なかなかインターネットに積極的だな。)

私「それで、いくら位かかったんですか。」
下「たしか、30万円くらいでしたね。“コンテンツ”って言うんですか、そいつを作るのに、大負けに負けてもらって30万円くらいでした。その時の知合いのその業者さんは「普段の5割引で作りますよ」って言ってくれて、結構得しましたよね」
(先生、おめでたいですね。30万円だったら、ちっとも安くないですよ。(^^)

私「それ以外に、維持費はいくら位なんですか。」
下「毎月1万円、サーバー管理費って言う奴を、その業者さんに払ってます。これも、普通の価格の5割引でやってもらっているんですよ」
(これも、あんまり安くないよな〜。)

私「それで、そのせっかく作ったホームページは、何に使っているんですか」
下「いや〜。正直言って、放ったらかしですわ。時々ホームページ見て、質問メールとか来るんですけどね。なかなか契約には結びつかないんですよね。質問してくる人って、こちらが一生懸命返答してあげても、それっ切りなしのつぶてが多くてね。どうもホームページは、労多くして益少なしですよ。」

 以上の会話は、今年の4月初めに交わされたものです。この事務所がホームページを作ったのが、約1年前。当時としては、5〜6ページのホームページを作るのに、30万円と言うのは、まあ普通の価格でした。

 それに維持費が、1万円と言うのは、決して安くはないですよね。特にサポートが充実しているわけでもない「ホスティングサービス」ですから、1万円は少し高いかな、と言う気がします。

 でも、こうしたホームページの苦労って言うのは、どこの税理士事務所でも余り変わりません。と言うか、どこの中小企業でも、あまり変わらないと思います。つまり、「何十万円もかけて、ホームページを作ったけど、今一、商売につながらない」と言う状況は、ほとんどの中小企業ホームページに共通の悩みではないでしょうか。

●黒船来る・・・

私「でも先生の場合、色んな人の紹介で、順調に新しいお客さん獲得してるんだから、別にホームページ使わなくても、いいんじゃないんですか。」

下「そうなんですけどね。でも実はね、税理士業界ではこの4月から法人化が認められたんですよ。今まで税理士事務所っていうと、個人事業者の集まりだったんですけどね、これからは大手の監査法人とかが、税理士を雇って税理士業務を始めると思うんですよ。そうすると、うちみたいな小さい事務所だと、大手の法人事務所にはかなわないんですわ。だから、色々と手を打ちたいんですよね。」

 この「士業の法人化」と言う「黒船」は、税理士業界だけではなく、弁護士等の、他の業界でも共通の話題です。中小企業と言うか、個人事務所が多い「士業」の先生にとっては、今年度、一番ホットな話題だそうです。

 大手の事務所が法人化して、たくさんの専門家を抱えた「大型事務所」になって行くのはほぼ確実。そうした際に、「零細企業」たる「個人の士業事務所」はどうすれば良いか、と言うのが皆さん共通の悩みと言うわけですね。

●ところで税理士事務所は、どうやって顧客開拓をしているのか。

私「今までは、どんな風にお客さんを開拓していたんですか。」
下「ほとんどが、知人の紹介なんですよ。既存のお客さんとか、飲み友達とか、そう言った人からの紹介で、新しいお客さんになってもらうんですね。そもそもこの業界は「税金」と言うお金に直結する仕事ですからね。訳の分からない税理士にお願いするのは皆さん嫌だろうし。だからどうしても、自分の知り合いに良い税理士を紹介してくれ、と言う話になるわけです。」

私「ま、いわゆる「コネ」と「人間関係」の世界ですね。」
下「そうそう。だから、いかに自分のコネクションを広げておくか、それが一番大切なんですね。」
(う〜ん。いかにも日本的なこの業界。私の対象外の分野だな・・・(^_^;)

私「と言うことは、いわゆる「ど新規」のお客さんと言うのは、なかなか取れないわけですか」
下「そうなんですよ。去年、紹介以外で新しく取れたお客さんって、1年間でたった6件ですからね。しかも全員、2年も前から、ずっと定期的に「無料相談」にのってあげて、ようやく去年お客さんに成ってくれたんですから。」
(うわ〜。凄いな。新規の顧客開拓するのに、仕込みから2年もかかるんだ)

私「それは大変ですね。じゃ、紹介の方はもっと楽なんですか。」
下「それは楽ですよ。だって、知り合いの人が勝手にお客さん連れてきてくれるんですから。一応、紹介してくれた時にミーティングして、こちらの得意分野とか料金とかを説明して、その上でようやく契約なんですけどね。でも大抵お客さんは、自分の知り合いから紹介された税理士さんと言うことで、もう無条件に決めて来てますけどね。」

私「それじゃ、ほとんどコストはかからないですね」
下「そうですね。でも一応、紹介料として「2万円」を紹介者にはお支払いしますけどね。」
(へーー。そうなんだ。この業界では紹介すると、紹介料が手に入るんだ。インターネットの世界だと「アフィリティー」って言うんだけどね。)

 と言うことで、この業界は、自分で一生懸命に営業活動するよりも、知人から如何に紹介してもらえるかを考えた方が良いと言うことです。言い換えれば、人脈をいかに広げるかが勝負、と言うわけです。コネと人間関係の渦巻く世界、それが税理士業界と言う所でしょうか・・・。(^.^)

●そしてホームページをどうして行くか

私「じゃあ、やっぱり下手なことやらないで、先生得意の「飲み友達」をもっともっと増やした方が良いんじゃないですか。」
下「そうかも知れないな〜。でもこれからの時代、今までの方法だけで良いのかなと言う気もするんですよね。」
(まあ、そりゃそうだろうけどね・・・・。)

下「でも吉本さん、ホームページが専門なんでしょ。ホームページ使って仕事取れないですかね」
(お、いよいよ来たね。)

私「どうですかね。色々とやり方はあると思いますけどね。でも、士業の先生がホームページ使って、大儲けしたって話はあんまり聞きませんけどね。」
下「やっぱりそうですよね。」
(と、少し焦らしておいて。(^^)

私「でも、やり方によっては、結構いい線行けるかもしれませんよ。他の人がまだ余りやってないんだから、逆に先に始めれば何とかなるかも。」
下「と、言うと?。」
(さあ、私のオンステージの始まりだ〜。(^^)v

私「いえね、これは私の前からの持論なんですけどね、専門家のホームページって実はアクセスする人に受けるんですよ。インターネット利用ニーズの一番は電子メールなんですけど、二番は「検索サイト」の利用なんです。つまり検索サイト経由で自分の探している「情報」を見つけるのが、インターネット利用の代表的な使い方なんですよ。例えば「相続税を何とか軽減したい」と悩んでいる人がいるとしますね。その人は「Yahoo」とか「Google」と言った検索サイトで、「相続税」と言うキーワードを入力して、良さそうなサイトを見つけるわけです。当然、そこに専門家が書いた素晴らしい「相続税対策」の記述があれば、そのホームページの税理士さんの株は一気に急上昇、って訳なんです」

私「ホームページって言うのは、色々なとらえ方がありますが、まずは「巨大なパンフレット・サイト」だと思ってください。税理士の先生も、書籍を書いたり雑誌に投稿したり、あるいは自社の会報誌を配ったりして、税金の情報を一般の人に提供しますよね。そのうち仕事に結びつくかも、と思ってやってると思います。ホームページも同じです。税理士さんの”実力”を密かにアピールして、仕事に繋げるためのパンフレットサイトがホームページだと思ってください。」
下「そうでしょう。私もそう思ってたんですよ。」
(ほんとかな〜。(^_^;)

下「いや実はね、うちのホームページにも節税コーナーがあるんですけどね、最初に1ページ作ったきり、メンテしてないんですよ。本当は自分で、情報を追加して行きたいんですけどね。」
私「何でやらないんですか」
下「いや〜。お金がね。ホームページのコンテンツを追加すると、業者さんにまた何十万円も払わなければいけないでしょ。なかなかそのお金が出なくてね・・・」

私「じゃあ、自分でコンテンツ修正すれば良いじゃないですか。」
下「えっ。自分でコンテンツって、修正できるんですか?」
私「ええ、できますよ。ワープロ使える人だったら、そんなに難しくないですよ、一般的には。」
私「ただ、先生のホームページって、画像を使って、かなり複雑に作ってあるからね〜。確かに、先生にはちょっと難しいかも知れませんね。」

下「そうでしょう。自分でコンテンツ作れるんだったら、作りたいんですけどね。」
私「そうですね・・・。今のホームページをいじるのは、結構手間がかかるしな〜。じゃ、いっその事、新しいホームページを一から作ってみませんか。私が少し手伝ってあげますから」

下「はあ。でも、また何十万円もかかるんでしょう。」
私「いえいえ。今の先生のホームページみたいな、画像コリコリのホームページじゃなければ、そんなにかかりませんよ。4〜5万円くらいかな。」
下「えっ。そんなに安いんですか」

私「そうですよ。しかも、最初に作ってしまえば、あとは自分で自由にコンテンツの修正・加工が簡単にできますから。」
下「ちょっと、ちょっと、吉本さん。もう少し詳しく説明してくださいよ。」

 と言うような感じで、下田先生のホームページ奮戦記が始まりました。下田税理士事務所の、汗と涙の物語の幕開けです。

でも、この続きはまた来週と言うことで・・・・。\(__ )

 

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