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− ホームページ活用の現場の苦労をご紹介 −

■コネ全盛の業界で、ホームページによる新規顧客の獲得は可能か?■
■■「とある零細税理士事務所の、ホームページ顧客獲得奮戦記」No.05  ■■
■■■    http://akibare.net/ms.htm     ■■■

〜 ホームページと顧客獲得コスト 〜

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 こんにちは。担当制ヘルプデスクの中小企業IT支援“あきばれネット”の吉本です。数あるメールマガジンの中から、本誌をご登録いただきありがとうございました。

 

●そもそもお客さんを獲得するのに、いくらかかるのか?

私「ところで、先生。ちょっと質問なんですが、今まで新規のお客さんと契約するのに、いくら位お金をかけてました?」
下「ええっと、お金はそんなにかけてないですよ。お金をかけられるほど、うちは資金が潤沢ではないですしね」
私「まあ、そうですよね」

下「それにこの業界、広告規制がありましてね。なかなか一般の企業さんみたいに、広告出してお客を取るって訳にも行かないんですよ。」
私「ああ、なるほどね。でも、先生の人件費は、相当使ってるんじゃないですか?」

下「そうですね〜。私の人件費は、相当使っていますね。」
私「そうでしょ。マーケティングの世界では“顧客獲得コスト”って、言うんですけどね。いわゆる営業マンの人件費込みで、お客さん1人と契約するのに、いくらかかったかを計算するんですよ。」
下「えっ、私の人件費込みで計算するんですか? 私の人件費はタダみたいなもんですけどね。」

 こうした思い違いは、下田先生に限りません。人件費は「固定費」だから、いくらかけてもタダだとお思いの経営者は少なくありません。特に社長さんの人件費は、ノーカウントのかたが多いようです。

私「例えば、一から新規のお客さんを開拓する時って、どんな感じでやるんですか?」
下「そうですね〜。紹介じゃなくて、自分で一から開拓したお客さんだと、初めてお会いしてから、実際に顧問契約するまで二年位はかかりますね。」

私「その二年間は、どんな感じで営業するんですか?」
下「営業って言う感じでもないんですが、だいたい二ヶ月に一回くらい相談にのってあげるんですよ。それで二年くらいたつと、相続税や不動産対策の仕事を依頼してくれるんですね。」

私「普通、税務相談すると、一回いくらなんですか?」
下「まあ、5万円くらいですかね」

私「とすると、二ヶ月に一回の無料相談とすると、二年間で計12回。1回5万円とすると、計60万円の投資をしている、ってことですね。」
下「ほお〜。そんな金額になりますか。」
私「そうなんですよ。今までの下田先生のやり方だと、新規顧客の獲得コストが、一人あたり平均60万円かかっていた、と言うことになりますね」

 この計算方法は、かなりラフですが、一応の目安になります。ホームページを使った新規顧客の獲得を始める前に、「今までのやり方だと、新しいお客さんを獲得するの、いくらかかっていたのか」を計算してみてください。

 この費用と比較して、ホームページを使った獲得コストが、どれくらい安くなるかが、これからのポイントになります。

●ホームページの無料相談

私「新しいお客さんを一人獲得するのに、60万円。結構、コストかかりますよね。」
下「そうですね〜。60万円か・・・・」
(さすがに、お金の話をすると真剣になって来ましたね。(^.^)

下「でもこれがホームページを使えば、コストゼロ円でお客さんを取れるんですよね?」
私「いえいえ、そんなに甘くはないですよ。ホームページを使った方が、逆にお金がかかる事もありますから。」
下「はあ、やっぱり。」

私「今の先生のホームページだと、どんな感じですか?」
下「私の今のホームページには、“質問があれば、お気軽にメール下さい”と言うコーナーがあって、ここ経由で時々質問が来るんですよ。でも、いくらメールで質問に回答してあげても、全然契約に結びつかないですけどね。」

私「そうでしょ。ネットユーザーって、情報はタダだと思ってますからね。先生に仕事頼むつもりがない人が、平気で質問メール送ってきますよ。そのメールに一生懸命回答してあげても、ありがとうの一言もない、なんて言うのは日常茶飯事ですから。」

下「そうなんですよね〜。この間も、香港から税金の質問がメールで来ましてね。3回ほどメールのやりとりしたんですけど、1回返事書くのに、調査の時間を入れると3時間くらいはかかりましたね。」

私「と言うことは、3回返事を書いたとして、計9時間。先生の時給をかけ算すると、20万円くらいですかね。」
下「う〜ん。結構な投資ですな〜。」

私「それで、その香港のお客さんとは契約できたんですか?」
下「いえいえ。3回目のメールを出したっきり、無しのつぶてですよ。」
私「とすると、質問5人に1人がお客さんになったとしても、20万円の5倍ですから、顧客獲得コストは100万円、と言うことですよ。」

 時々、ホームページに「無料相談コーナー」がありますが、下田先生の例でも分かるように、労多くして益少なしですので、やめた方が良いです。

 人が対応しなければいけない、こうした質問コーナーは、従来のフェイス・トゥ・フェイスの無料相談会と、全く変わりません。当然、コストもかかります。

 しかも、実際にフェイス・トゥ・フェイスでお話する時は、それなりに相手に悪いな〜と思うので、まだ仕事につながる可能性が高いと思います。一方インターネットの世界では、「ボランティア」で無償回答するカルチャーが定着していますので、質問した方はほとんど「ありがたさ」を感じていません。当然、契約にも結びつきにくいわけです。

 

●ホームページの顧客獲得コストを抑えるには?

私「ホームページ使っても、人手をかけるとコストはものすごくかかりますよ」
下「そうですよね〜」

私「さっきの香港のケースみたいに、下田先生の時間を使えば使うほど、顧客獲得コストは上がりますからね。」
下「じゃあ、どうすれば良いんですか。」

私「要は、人手をかけない、と言うことです。人手をかけるのは、最後の契約直前くらいにして、それまではホームページのコンテンツを中心に、情報提供することがポイントなんですよ。」

私「実は、ホームページのいい所は、情報の使い回しがきく所なんです。最初にちょっと苦労して、良いコンテンツを作れば、あとはそのコンテンツをアクセス者が勝手に見てくれます。コンテンツに十分な情報があれば、問合せもほとんどなくなりますよ。」

下「でも、あらゆる質問への回答をコンテンツとして事前に登録するのは大変ですよ」
私「それはそうです。でも、さっきのゴルフ会員権みたいに、特定のテーマのコンテンツだけを掲載すれば良いんですよ。ゴルフ会員権以外の質問がある人は、相手にしないと言うわけですね。」

下「えっ、そんなに割り切っちゃうんですか?」
私「そうです。ホームページで成功するこつは“全員を相手にしない”ことです。自分の得意分野に興味がある人だけを相手にするんですよ。そうすれば、コストを抑えることができますから。」

下「う〜ん。そうかもしれないですね。毎回毎回、問合せの度に一生懸命対応していると、時間ばっかりかかりますからね。」
私「そうそう。そしてその得意分野のコンテンツについて、ある程度アクセス者が理解して基本知識を習得した後で、メールなり、電話なりでお話しすれば良いんです。それだったら、香港の時みたいに時間はかからなくなりますから。」
下「なるほどね〜。」

 ホームページを使ってお客さんを“安く”獲得するポイントは、人手をかけないことです。そのためには、自分の得意分野にお客さんのセグメントを絞ることと、そしてコンテンツである程度の情報を与えることです。

 そうすれば、人手をかけることなく、お客さんに情報提供することが可能になります。

●今週のポイント

・今までの新規顧客獲得コストを、計算してみましょう。
・ホームページを使っても、人手をかけては、今までと変わりません。

 ということで、続きはまた来週ということに致します。それでは、また来週、お目にかかりましょう。

 

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