めざせ、ホームページで商売繁盛!
5.電子メールを使った既存客への販促活動
先ほどはメルマガを使った「新規客」の獲得の話でしたが、今度は電子メールを使った「既存客」へおアプローチです。
■電子メールによるお客さんフォロー
あなたも、先刻ご存じの通り、
を比較した場合、新規顧客への販売の方が、コストも手間もかかりますよね。
マーケティングの世界では、同じ商品を売る場合、新規顧客への販売は、既存顧客への販売の「5倍コストがかかる」と良く言われます。ですから、できれば新しいお客さんを一生懸命開拓するよりも、既存のお客さんに追加で色々と商品を買っていただいた方がいいわけです。
でも今までは、既存のお客さんをフォローして、追加商品の購入をお願いするのは、そうとう大変でした。それは、お客さんの住所氏名を入手するのが難しかったことと、それをDMや電話でフォローするコストが馬鹿にならなかったからです。
でもインターネットの登場とともに、この既存客フォローの敷居が大変低くなりました。それは、「電子メール」を使うからです。
ご存じの通り、電子メールの送信には、ほとんど費用がかかりません。ですから電子メールアドレスさえ入手できれば、定期的なお客さんのフォローが、低コストで可能なのです。毎月でも、毎週でも、好きなタイミングで、販促メールをお客さんに送ることが可能です。
すなわち、電子メールアドレスさえあれば、既存客、見込み客、休眠客、といった、お客さんの性質に合わせて、自由に販促活動が可能になるのです。
本コーナーでは、電子メールを使った販促活動についてお伝えしましょう。
■電子メールで何を販売するか
さてまず考えなければいけないのは、お客さんにメールで何を販売したいのか、ということです。
何を販売しても構わないのですが、「1点突破主義」で商品を選定することをお勧めします。つまり、あまりたくさんの商品を売り込もうとしないで、1つか2つに商品を絞って販促すると言うわけです。
DMを利用した通信販売のケースでは、カタログに多数の商品を掲載して、お客さんに選んでもらうケースが多いですが、電子メールでそれをやると、ほぼ100%失敗します。
というのは、電子メールユーザーは、実はあまりじっくりメールを読まないからです。
あなたもそうだと思いますが、色々な所からメールが1日何十通も送られてきます。すべてのメールを精読していたら、時間がいくらあっても足りません。そこで電子メールユーザーは、電子メールを「斜め読み」する習慣があるのです。重要でないメールは、ざっと眺めるだけで、すぐ次に行ってしまうのです。
当然、電子メールの中に、10種類も20種類も商品を並べても、興味がないと斜め読みされて、とばされてしまいます。普通の人は、自分の興味のない商品情報など読まないですからね。ですから、ある程度、販売したい商品に絞りこむ事が必要になってくるわけです。
たとえば、私の知り合いの税理士さんの例で述べてみましょう。
その税理士先生の場合、税理士さんですから普通の企業とちょっと違いますが、「不動産の節税」とか、「相続対策」とか、「税務診断」とか、色々と売りたい商品(=提案したいサービス)は、たくさんありました。
でも、先ほど述べたように、「私は、これも、あれも、それもやりますよ」とメールでいくら訴えても、誰も読んでくれません。
そこでこの先生が「売ろう」としたのが、「有料の節税セミナー」でした。まずはセミナーに来てもらう、その中から具体的に税金の悩みを持っている人に対し、税務相談を行うと言うステップを踏むことにした訳です。
なお、ここでのポイントは「有料」のセミナーを販促することでした。「無料」のセミナーの方が、当然人は集まりやすいのですが、逆に「真剣に悩んでる訳ではない」人が集まる可能性が高いのです。今回はあくまでも、次の税務相談につなげるためのセミナーですから、税務相談したい、すなわち「お金を払ってでもセミナーに出たい」人を集めようとした訳です。
■メールのシナリオ
さて、電子メールで販売したい商品が決まったあとは、それをどういうステップでお客さんにアピールして行くかを考える必要があります。
このステップのことを「メールシナリオ」と言いますが、具体的には以下の項目を検討します。
- 対象者 : 誰にそのメールを出すか
- 回数 :何回メールを出すか
- 訴求ポイント :それぞれのメールで何を訴えるか?
- 送信タイミング :メールをいつ出すか
この税理士先生の場合は、かなりご無沙汰の人を含めた「見込み客」に対する有料セミナーへの集客という目的だったので、こんな感じでシナリオを組み立てました。
- 対象者:アドレスを入手できた人は、原則全員に送る。
- 回数 :5回
- 送信タイミング:セミナーの日から逆算して、5日に1回ずつメールを送信。
- 訴求ポイント
- 初回 : あいさつ、先生の近況報告、税金のお得な情報。(狙い:親近感の醸成)
- 二回目:近況報告、税金のお得な情報(狙い:親近感、および税理士としての信頼感を醸成)
- 三回目:税金の旬な話題と、顧客事例(狙い:この先生は税金に詳しいと言うイメージを作ると共に、節税対策でお金がたくさん戻ることを認識させる)
- 四回目:有料セミナーの告知(このメールが最大のポイント)
- 五回目:セミナーフォロー(残席あとわずか!、といった煽りトークで、再プッシュ)
こうしたシナリオは、販売しようとしている商品や、対象のお客さんによって当然変わってきます。また最初から上手く行くわけではないので、ある程度試行錯誤が必要です。
でも、闇雲にトライするよりは、こうした事前の「ストーリー」を想定した方が、失敗したときでも後で色々と修正が効きますので、是非こうした「メールシナリオ」を事前に検討してみてください。
■メール本文のポイント
さて、次はいよいよメールの本文を作ることになります。
電子メールの文書を作るときの最大のポイントは、「パーソナル」なメールにすることです。
郵送の手紙でも、企業が送りつけてきた「DM」と、知り合いが送ってきた「手紙」だと、受け取った時の嬉しさが全然違いますよね。DMだと封を開ける気がしませんが、手紙だとワクワクしながら読みますよね。
電子メールも同じなんです。差出人が「顔の見えない」企業だと、なかなか読んでもらえません。でも同じ企業が発信するメールでも、個人が出すようなメールであれば、受け手も喜んで読んでくれるのです。
具体的に「パーソナル」な電子メールを作るためには、下記2点がポイントになります。
- 個人名でメールをだす。できれば、社長さんの本名を使用。あるいは、本名の代わりにニックネームを使うことも可。
- 友人に出すようなトーンで、文書を作る。堅すぎる文書、ビジネス的な文書は、喜ばれない。
細かいテクニックは色々ありますが、要は「もらって嬉しい電子メール」を作ることがポイントです。気持ちとしては、お客さんと「文通」するような気持ちで、相手に喜ばれる電子メールを、「個人」として出しましょう。
■電子メールの活用について
インターネットで成功しているサイトは、例外なく電子メールを上手に活用しています。ホームページ単体では、お客さんへの販促はかなり難しいのですが、電子メールと組み合わせることにより、色々な可能性が出てくるのです。従って、企業として電子メールをうまく使いこなせるかどうかが、今後のポイントになっていきます。
そしてそのために必要なのは、「どんな電子メールが喜ばれるか」を研究することです。「まぐまぐ」等のメールマガジンや、「楽天」の人気ショップのメールマガジンを、いくつか購読して、電子メールの研究をされることをお勧めします。
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